セルフプロデュース

私たちは人間関係のなかで生活をしています。
そして意識的、無意識的にせよ、人は人を評価する生き物です。
これはすなわち、社会において私たちは人からの評価の中で生きていると、言葉を変えても良いと思います。

さて、カウンセリングにおいては「人の視線を気にし過ぎる」、「どう思われているか気になってしかたがない」、その結果自分を出せないという相談はよく受けます。

この場合カウンセリングにおいては、人からの視線、評価を気にすることなく、自分を出していきましょうとアドバイスをすることが多々あります。
(もちろん、考え方、行動について話し合ったうえですが・・・)。
これはすなわち、自分と他者の境界の設定を促していることでもあるのです。

さて、今回書くテーマについては、自分と他者の境界が設定出来ている方を対象としています。
すなわち、「人の視線を気にし過ぎる」、「どう思われているか気になってしかたがない」方は、このページは読まないでください。
読むと混乱されると思います。

私たちは人の評価のなかで生きています。
したがって、人から高い評価を受ける方が生きやすいことは明白です。

この評価にも仕事の評価、人物の評価と大別すると2つあると思います。
ここでは、人物の評価について書きたいと思います。

ではまず、他者から高い評価を得る、好ましい評価を得る人物とは、どのような人物でしょうか?

思いやりがある、親切、真面目、礼儀正しい、笑顔、責任感がある、穏やか、威厳、勤勉、・・・。
枚挙にいとまがありません。
そして何が好ましい人物像か、人によって様々違うことでしょう。

大切なことは、自分が好ましいと思われる人物像を自分のなかにしっかりと抱き、その人物になることです。
すなわち、その人物を演じるのです。

その人物を演じることで他者とかかわり、他者よりの高い評価、好ましい評価を受けるのです。
これにより、人間関係において自分の立ち位置も確立され、人との交わりも望む方向に動く可能性が高いです。

但し、無理は禁物です。
自分と他者の境界をきっちりと認識したうえで、自分が好ましいと思う人物像を演じる必要があります。

出来ることと、出来ないことを明確に区別し、他者の責任は引き受けない。
出来ないことは断る等々。

そして、自分が好ましいと思う人物像を演じることを、「セルフプロデュース」と言います。
自分が自分をプロデュースするのです。

ここで疑問です。
人によっては、「なぜ他者から高い評価を得るために、演じなければならないのだ」と不快感を示す方もおられることでしょう。
それならば、演じる必要はありません。
選択は自由です。

しかし、私たちは人とのなかで生きています、好ましい人物と、そうでないと思われる人物では、人の付き合いも変わっていき、人生にも大きく影響します。

セルフプロデュース。
私は大切だと思います。

最初は自分が自分で理想の人物像を演じるので、ぎこちないかもしれません。
しかし、「板につく」という言葉があります。

演じ続けるうちに、その人物像が板につき、まさにその自分になっていることでしょう。
それが理想の自分を叶えることでもあるのです。

関連記事