職人気質

職人の気質、誇り、名誉、こだわりについて、2つの事例より書きたいと思います。

カレー屋さんと、和菓子屋さんです。

1 カレー屋

最近出来たカレー屋さんなのですが、メニューがカレーしかなく(カツカレ、野菜カレー等)がありません。

カツ類もあった方が、儲かるのにと思い、店主に尋ねてみました。

店主曰く、
「カレーのルーを仕込むのに3日間かかります。
そして、カツにはカツに合うルーを作らなければなりません。
野菜に対しても、同じことです。
したがって、私1人ではカツや野菜に合うカレーのルーを作る時間がないのです」

そうだったのかと感心しました。

カツにはカツに合うルーが必要なのか。
もちろん、これは店主のこだわりでしょうけど。

カレー職人としての、味へのこだわり、誇りを感じました。

2 和菓子屋

30年以上住んでいた街に、おいしい和菓子(ロールケーキもあったかな?)屋さんがありました。
街では老舗の有名店です。

しかし、数年前に閉店されました。

理由は和菓子を作る際(地下水?)を使用していたのですが、その水が枯れてしまったのです。
その水なくして、和菓子は作れないということで、閉店されました。

どこか他の湧き水で代用出来ないのだろうか?
おいしい和菓子なのにもったいないと、私は思っていました。

でも、そのおいしい和菓子は地下水を利用しており、その水が枯れて使えなくなってしまった今、その和菓子の味も変わってしまうのでしょうね。

閉店とは、利益が出ない、お金の入って来ない状態になるのですが・・・。

それでも、職人は同じ味が出せないのであれば、閉店を選んだ。
葛藤もあったことでしょう。

でも、味を守ったのです。
今までとは違う味にすることなく、食べた人すべてが、懐かしいねと、想える記憶の味を守ったのです。

ここにも、職人の味への名誉、誇りを感じます。

少し考えてみてください、無名ではありますが、名誉、誇りを感じながら、仕事をされ続けている人は、たくさんおられるのではないでしょうか。

ただ、私たちが知らないだけなのです。

関連記事