アダルトチルドレンの特徴と問題

アダルトチルドレンの特徴と問題を4つに分けて記載します。

自分についての問題、人間関係についての問題、人生についての問題、親子関係の問題。

アダルトチルドレン 自分についての問題

1 自信の欠如・自分を認めない(厳しい自己批判)

親より認められたこと、ほめられた体験が少なく自分を信じること、認めることが出来ません。
また常に親から批判され続けてきたので、自分を批判する傾向も強く、出来た自分を認めません。
自分には出来ない、自分はダメという根拠のない感覚に支配されていることもあります。

2 何ごとも自分が悪いと決めつける

自分が悪い根拠はありません。
子供時から親より無視されたり否定され続けた結果、自分が悪いと思い込んでいます。

3 高い理想と完璧主義

物事完璧に達成しないと、人から認められないと思い込んでいます。
高い理想を自分に課し頑張り続けるので燃え尽きてしまいます。
また慢性的な不完全感を感じている時もあります。
その慢性的な不完全感を、克服しようとして頑張り続けます。

4 思考の二極化、曖昧性の排除(べき論と低い受容性)

YesかNoか、グレーゾーンがありません。
思考の二極化も親の極端に歪んだ厳しいしつけの産物です。
このYes、Noについて考えたのですが、No、不安に対する、耐性の低さが原因であることもあります。
そして、YesかNoか早く知り、不安感からの解放を望みます。

5 過剰な責任感

すべて自分でしなければならないと思い込んでいます。
助けを求めることも出来ず、人に迷惑をかけることを恐れています。

6 決断出来ない

自分に自信がないので決断出来ません。
また、自分の自分の人生を、自分で決めてきた傾向が、あまりないのでしょう。
他者に意見を求め、他者の決断に従います。

7 マイナス思考 考えすぎる

いつまでも過去の失敗に捉われ未来を見ません。
また人の機嫌を損ねたのではないか等過剰に反省しすぎます。

8 自分がコントロール出来ないと思われる問題に過剰に反応します

自分に自信や余裕がないため、不測の事態に対応する能力の欠如を感じています。
型通りに行動することに安心を感じ、臨機応変に対応が出来ません。

9 何が正しいのか分からない

子供時の家庭の歪み、親の気分や、親のその時々の都合による一貫性のない態度に振り回され続けたため、何が正しいのか自分で判断することを難しく感じています。

10 自己感覚の問題

自分が何を考えてるのか、感じているのか分からない傾向があります。
また自分が自分と分離して、今ここに居る感覚が薄い時があります。
これらは常に他者優先、他者を喜ばすことを考え続け、自分を疎かにしてしまった結果かもしれません。

11 慢性的な孤独感

親に理解されたことがなく傷つけられ続けてきたため、誰も自分を理解出来ない、自分を愛してくれないと感じ、自分を愛することも出来ません。
また常に、他者から理解されない思い込みから、自分と他人は違うと感じる傾向もあります。

アダルトチルドレン 人間関係についての問題

1 対人不安(人が恐い)

親との関係性において暖かい人間関係を経験しておらず、逆に親の機嫌や期待を満たせなかったため罵倒や虐待された等の経験より、周囲の人間に対しても過剰な警戒心と、怒られる、否定される等の恐怖より、人の視線・言動に対して不安を感じています。

2 他者の思いや評価を過剰に気にする(過剰に合わせる)

自分が相手の機嫌を損ねたのではないか、認められないのではないか等の恐れより、他者の評価に敏感です。そのため人に過剰に合わせてしまい自分の意見や感情表現を抑えてしまいます。
しかし過剰に人に合わせ続けますと、自分が何を思っているのか、何を感じているのか分からなくなってしまいます。

3 自己主張・感情表現が出来ない

自分を表現することに強い恐れを感じています。対人不安、他者の思いや評価を過剰に気にする問題に、問題の根源があります。
自分を表現することを恐れてしまうと、自信、自己肯定感が育めません。

4 抱え込む

人から嫌われることを恐れるあまり、断れない、頼めないの問題が生じます。
そして何ごとも抱え込みストレスを感じ続けます。

5 怒れない

都度自分の気持ちを素直に表現した方が楽なのですが出来ません。
そして、溜まった怒りは大爆発することがしばしばあります。

6 他者に対して何かをしてあげたい衝動(共依存)

他者に対して何かをしてあげたい、助けてあげたい、尽くしてあげたい思いが強くあります。
過剰なこの思いは、人から感謝されたい・認められたい気持ちがその根底にあり、共依存を形成してしまうかもしれません。

7 見捨てられることへの不安

親より見捨てられた記憶・感覚がありますので、人から見捨てられることを過剰に恐れます。
この問題は相手への執着となり、恋愛依存では顕著です。
人に対する執着・依存の問題としては、対象となる人をコントロール・支配しようとする問題にも発展します。

8 本当のことを言った方が楽な時でも嘘をつく

自分の気持ちを抑えて成長してきたので、正直に自己表現することを学んでいません。
また正直に話して、周囲からバカにされることを恐れています。

9 人を試す発言をする(自分を悪く語る)

恋愛依存において顕著です。
これでもかと自分を悪く語る傾向があります。こんな自分でも受け入れてくれるのかという不安からの行動です。

10 社会性とコミュニケーションの問題

自己抑圧の傾向が強く、人と分かち合う経験が少なかったため、社会における適切な行動・振る舞い、コミュニケーションの学習が不足しています。

アダルトチルドレン 人生についての問題

1 希望の欠如

子供時よりずっと生きる希望がありません。 親が奪ったのです。

2 自発性の欠如

常に親より縛られ、合わせてきたため、自分で考え決めて行動することが出来ません。 自発性の欠如は、自主的に動くこと、チャレンジをすること、未来を築くことを阻害します。

3 過去に対するこだわり

過去の自分、失敗、機能不全家族に生まれてきたこと等、後悔と怒りが満ちています。 しかし過去に執着すると今と未来を生きることが出来ません。

4 楽しむことに対する罪悪感

子供時より楽しむこと、好きにすることを禁じられ続けてきたので、いざ楽しもうと思うと罪悪感に捉われます。

5 生きる意味が見い出せない

何のために生きているのか?
楽しいことも何もない人生。辛いことばかり。
自己無価値観、感情抑圧の問題等も関連して、生きることの意味が見い出せません。

アダルトチルドレン 親子関係の問題

1 親からの執着

親からの子供時から続く激しい執着、具体的には期待の押し付け、グチを聞かす、恩着せ、怒りの吐け口等、未だに続く親からの激しい執着のため強いストレスを感じています。
本当の今の気持ちは、「いい加減にしろ」、「うるさいバカ」、ではないでしょうか。

2 親への執着

過去親に愛してもらえなかった反動でしょう。成長した今も親に認めて欲しいという気持ちが過剰に強く、逆に親からのちょっとした否定の言葉から、全否定されたと感じます。

3 親に対する罪悪感

子供時より常に親を意識して合わせ続けてきたので、親の期待や意思に反する行動を取ることについて、罪悪を感じてしまいます。 しかしこれは親より植え付けられた感覚です。

4 親に対する怒り

子供時に親から受け続けた言動に傷つき、そのことに対して猛烈な怒りを感じています。
しかし過剰な怒りは人や自分を傷つけることもあり、注意が必要です。

さて、 ここまで見てきたようにアダルトチルドレンの問題とは、自分についての問題、人間関係についての問題、人生についての問題、親子関係の問題と大別されます。

次のページ アダルトチルドレンと依存について

関連記事