強迫性障害 原因と特徴等について

強迫性障害

強迫性障害の原因と特徴等について

人口の2%〜3%の方が患う強迫性障害ですが、どのような原因があり、また、どのような人が患いやすいのでしょうか。

原因(いろいろと考えられますが、はっきり特定は出来ません)

  1. 遺伝 強迫性障害を患う方の親には、〜あるべき論をふりかざす強迫性人格。完璧主義者が多いことは知られています。
  2. 家庭環境 厳しすぎるしつけにより、自分に自信が持てず、自己不全感より、何度も同じ確認をする、確認恐怖に落ち入ったりする場合があります。
  3. 遺伝と家庭環境の相乗効果。
  4. 脳内科学物質のアンバランス、具体的にはセロトニン減少。
    セロトニンは脳内神経伝達物質のひとつであり、脳で神経が情報を伝える時に働く物質です。
    強迫性障害不安緩和のためには、脳内で利用出来るセロトニンを増加させることが有効と分かっています。
    ⇒しかし、すべてがセロトニンで説明出来るものでもありません。
  5. 脳内器質的異常。
    強迫性障害の脳を断層スキャンを実施すると時々異常が見られることがあるようです。
    しかし、強迫性障害の不安やストレス等が脳に科学反応を起こしているとも考えられます。ニワトリが先か卵が先か、断定出来ません。

上記のように、強迫性障害の原因特定は、はっきりと特定出来ないのです。

私の経験から思うことですが、あまりにも膨大な漠然とした不安が強く、その不安が具体的に出口を求めており、何か自分が失っては困る対象に執拗にこびりついて離れない、何かそのような感覚を持っていました。
敢えて自分から不安をつくり出す。そんな感覚です。

強迫性障害になる人の特徴について。

内向的。自己反省が強い。自己批判が強い。用心深い。完璧を目指す。劣等感が大きい。
些細なことが気になる。体の感覚に敏感(すぐに病気ではと心配)。不安が強い。

⇒森田療法ではこれら強迫性障害を患いやすい人の性格を、ヒポコンデリ−性基調と呼んでいます。

また、先の森田療法の創始者、森田 正馬は「生への執着」が強すぎるからだとも言っています。
生きたいと思いすぎるからこそ、生を失うことに対する不安が強く、通常では意識しないことまで意識し過ぎ不安が高まり、強迫観念が発生するという説です。

発病年齢について

早い人で3歳ぐらいから発病すると言われています。
発病年齢の分布には2つのピ−クがあり、全体の3分の1から半数は、15歳以下であると言われています。
10歳以前に発病した男性と、10歳以降に発病した女性とが、強迫症状がより重症であると言われています。
(一般的には10歳代始めから20歳代始めにかけてが大半とも言われています)

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