子供の優しさが、親への怒りに変わる時

親子関係は、他の人間関係同様、様々な関係性、思いが存在します。
とくに、親子というものは、子どもが生まれた時から、その関係性がはじまり、親子間における様々な経験、親の子育て等が、その数年後、親子の関係性を決定することも多々あります。

さらに、この関係性については、子どもと母の関係だけではなく、子どもと父との関係、父母の関係、他兄弟との関係等、その家族の構成員の様々な関係が影響し、子どもは親に対する思いを形成と、子供自身の性格を形成していくのです。

さて、今回のテーマ、「子どもの優しさが、親への怒りに変わる時」。

この怒りとは、一時的なものではなく、長期に渡る、永続的な子供から親に対する怒りです。
したがって、幼年期の子どもが永続的に親に怒りを持つことは考えられず(一時的な怒りはあります)、ある一定年齢、青年期に入ってから、様々な親子間の経験、親子間の出来事の積み重ねが、永続的な怒りへと変わるのです。

さて、親子関係を考える際、永続的な怒りは、なぜ、生じるのでしょうか?

そこには、親の言葉、態度より直接傷つけられた悲しみと怒りの蓄積、また親子関係の影響(子育て)から社会人として、社会(集団)において人間関係が築けない、日々の生き辛さ。
この生き辛さの原因は、親子関係、成育歴にあると認識した時、親に対してなぜ偏った子育てをして、自分を歪めたのか、親の養育態度が起因して、なぜ自分だけ生きることに対して苦みを味合わなければならないのか等、自己の人生に生涯の苦しみを与えた親に対して、親に対する永続的な怒りがわいてくるのです。

元来、子供とは親に対しては優しいものです。
その子供の優しさを、踏みにじった。
その行為の代償が、親に対する永続的な怒りなのです。

では、子供は親に対して、永続的にどのような事に怒っているのでしょうか。

・何をしてもほめてもらえなかった
・常に罵倒、けなされ続けた
・一生懸命話したのに理解してもらえなかった
・兄弟間、友達間の比較があった
・今まで親のためにと思いしてきたことが、裏切られた
・親の言うことが常に変わり 振り回され続けた
 等々

これら、すべては心の傷となり、親に対する不信感につながり、親に対する絶対的な怒りへと転じることがあるのです。

なぜなら、これらの親の養育態度は、子供を萎縮させ、自信、自己肯定感を削ぐものであり、かつ、これらの親の養育態度の結果が、社会において生きることに対する、生き辛さの原因となっていることもあるからです。

もちろん、ここには、子供の個性も影響します。
親が何を言おうが、知ったことではないと、自由奔放な子は、親に対して怒りを持つことはないかもしれません。
また、ことあるごとに、親と正面からぶつかった子供は、怒りこそあれ、それはそれで良い、自分は自分の人生を生きるんだと思えるかもしれません。

気を付けないといけない子供のタイプは、親の言うことを素直に聞く、自己抑圧型タイプです。
自分の怒りをベールに隠して、親と共生。

いずれは、今までの積もり積もった怒りの爆発、社会に出てからの不適応、生き辛さの責任を取れと、親に対して永続的な恨みと怒りを持ち続けるかもしれません。

たぶん、私がそうだったかな・・・。

子供は親のために存在しているのではありません。
子供には子供の人生の選択肢があります。

親子関係。
親は力関係上、上に立ちます、また、養育者としての責任もありますが、対等な人間として、常にコミュニケーションを大切に、親子ともども、双方の理解に努めましょう。

子供を理解することは、良き、親子関係を築くためには大切です。
このことは、あらゆる人間関係にも言えるでしょう。

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